登録サービスは「Register Your Rental Property」として、2026年12月15日にWest Midlandsから開始され、その後約12か月かけてイングランド各地域へ展開される予定です。対象地域になった大家には原則3か月の登録期間が与えられます。現在賃貸中の物件については、2027年11月14日までに、イングランドで実際に物件を貸しているすべての大家が登録を完了する予定です。

制度の導入当初は、すでに賃貸中の物件、または地域での導入期間中に入居が始まる物件が主な対象です。今後は、空室物件についても賃貸広告を出す前に登録することが求められ、大家やLetting Agentは広告に登録番号を掲載することが義務付けられる予定です。

この記事は2026年9月時点で公表されている政府情報に基づいています。
登録方法、公開される情報、更新手続きなどの詳細は、今後の規則や政府ガイダンスによってさらに明確になる予定です。

Private Rented Sector Databaseは誰が管理するのか

Private Rented Sector Databaseは、Renters’ Rights Act 2025に基づいて設けられるイングランドの全国的な民間賃貸住宅データベースです。

法律上、データベースの運営主体はSecretary of State(国務大臣)、またはSecretary of Stateが指定する組織とされています。つまり、民間企業が独自に運営する登録サービスではなく、政府の制度として管理・監督されるデータベースです。

地方自治体(Council)も登録情報を利用できるようになり、地域内で誰がどの物件を貸しているのかを把握し、必要に応じて調査や法令執行を行うことができるようになります。

政府が示している主な3つの目的

テナントにとって、賃貸住宅の透明性を高める

大家や賃貸物件が適切に登録され、法律上の義務が守られているかを確認しやすくします。

今後、データベースの公開機能が導入されると、テナントや入居を検討している人が、大家や物件が正しく登録されているかを確認できるようになる予定です。

大家にとって、法令遵守を分かりやすくする

大家が最新の法律、住宅基準、安全基準などを確認できる「one-stop shop」として利用できるようにし、適正に賃貸運営している大家がコンプライアンスを示せるようにすることも目的のひとつです。

賃貸住宅に関する制度や規則は変更されることがあります。データベースを通じて最新の義務や必要な対応を確認できる仕組みを整えることで、大家が法律を理解し、適切に対応しやすくすることが想定されています。

地方自治体(Council)にとって、監督・取締りを効率化する

地方自治体は、どの物件を誰が貸しているのかをより把握しやすくなります。

登録情報を活用することで、安全基準や法令を守っているかを確認し、必要に応じて問題のある大家や物件に重点的に対応できるようにすることが目的です。

何を登録するのか

2026年9月時点では、登録情報の詳細について今後の規則で定められる部分も残されています。

Renters’ Rights Act 2025では、大家自身と賃貸する物件についてデータベース上に登録し、必要な情報を提供する仕組みが定められています。政府や地方自治体から現在案内されている内容では、主に次のような情報や書類を準備しておくことが想定されています。

  • 大家の情報
    氏名、連絡先など。Joint Landlordsの場合は、共同大家についても必要な情報を登録することになります。

  • 物件の情報
    住所、物件タイプ、Bedroom数、入居状況など、賃貸住宅を特定するための基本的な情報。

  • 安全・法令遵守に関する情報・書類
    Gas Safety Certificate、Energy Performance Certificate(EPC)、Electrical Installation Condition Report(EICR)など、物件が法令上の安全基準を満たしていることを確認するための情報や書類。

登録項目の最終的な内容や、どの情報が一般公開されるかについては、今後の規則や政府ガイダンスでさらに明確になります。

そのため、大家さんは今の段階からGas Safety Certificate、EPC、EICRなどの書類を確認し、最新の状態で整理しておくことをおすすめします。

登録すると何が発行されるのか

データベースに登録すると、大家と賃貸物件それぞれに固有の識別番号(Unique Identifier)が付与されます。

今後、空室物件を新たに市場へ出す場合には、広告を出す前に大家と物件の登録を済ませることが求められ、大家やLetting Agentは書面による賃貸広告に登録番号を掲載することが義務付けられる予定です。

例えば将来的には、次のように登録済み物件であることを確認できる仕組みになります。


                    London SW3 – 2 Bedroom Flat
                    Rent: £2,800 pcm
                    Landlord Registration: XXXXXXX
                    Property Registration: XXXXXXX
                    

なお、法律上は大家と物件の双方に固有の識別番号が付与される仕組みになっているため、単一の「PRS Registration Number」が発行されるというより、大家と物件をそれぞれ識別できる番号が割り当てられると理解する方が正確です。

登録には費用がかかる

登録は無料ではなく、大家には登録費用が必要になります。

2026年9月時点で複数の地方自治体が案内している登録費用は、1物件につき年間£65です。

登録方法や支払い方法などの具体的な手続きについては、各地域でサービスが開始される時期に合わせて政府から案内される予定です。

登録しなかった場合

登録は任意ではなく、対象となった地域では法的義務になります。

登録は単なる行政手続ではなく、今後イングランドで適法に賃貸住宅を運営するための基本的な条件のひとつになります。

大家または賃貸物件を登録せずに物件を貸したり、登録が必要な段階で未登録の物件を広告した場合、地方自治体(Council)は違反に対して**最大£7,000のCivil Penalty(民事上の金銭的ペナルティ)**を科すことができます。

さらに、同じ義務に繰り返し違反した場合や、データベースに虚偽の情報を提供するなどの重大な違反については、最大£40,000のCivil Penalty、または刑事訴追の対象になる可能性があります。

したがって、「未登録の場合はすぐに刑事訴追される」という仕組みではなく、違反の内容や繰り返しの有無によって、より重い措置が取られる仕組みになっています。

未登録の場合、物件の明渡し手続きにも影響する

Private Rented Sector Databaseへの登録は、罰金だけでなく、大家が物件の明渡しを求める場合にも影響します。

Renters’ Rights Act 2025では、大家が必要なデータベース登録義務を守っていない場合、原則として裁判所が一定のPossession Order(明渡し命令)を出すことを制限する規定が設けられています。

ただし、反社会的行為など、一部のPossession Groundについては例外があります。

そのため、データベースへの登録は、日常的な賃貸管理だけではなく、将来大家が適法に物件を取り戻す必要が生じた場合にも重要になります。

大家さんが今から準備しておきたいこと

制度は地域ごとに段階的に開始されるため、すべての大家が2026年12月15日に一斉に登録するわけではありません。

ご自身の物件がある地域の登録開始時期を確認しながら、今の段階から次のような準備をしておくと安心です。

  • 大家の氏名・連絡先などの基本情報を確認する
  • Joint Landlordsの場合は共同大家の情報を整理する
  • 所有・賃貸している物件の住所や基本情報を整理する
  • Gas Safety Certificateが有効であることを確認する
  • EPCが有効であることを確認する
  • EICRなど電気設備の安全関係書類を確認する
  • 必要な証明書や物件書類を一か所にまとめておく
  • 所有物件がある地域の登録開始時期と期限を確認する

今後、政府から登録方法や必要書類の詳細が公表された際にすぐ対応できるよう、物件ごとの情報と安全関係書類を整理しておくことが重要です。

今後のスケジュール

「Register Your Rental Property」サービスは、2026年12月15日にWest Midlandsから開始されます。

その後、約12か月かけてイングランド各地域へ段階的に展開され、対象地域になった大家には原則として3か月の登録期間が設けられます。

政府は、2027年11月14日までに、イングランドで実際に物件を貸しているすべての大家が登録を完了する予定としています。

また、将来的には空室物件についても、賃貸市場へ広告を出す前に登録が必要となり、大家やLetting Agentには広告への登録番号掲載も求められる予定です。

制度の具体的な登録方法や詳細は今後も更新されるため、物件を所有する大家さんは政府や地方自治体からの最新情報を継続して確認することをおすすめします。

重要事項

本記事は2026年9月時点で公表されている情報をもとに作成しています。制度の適用時期や登録要件などは今後変更・追加される可能性があります。実際の対応にあたっては、GOV.UKおよび管轄する地方自治体の最新情報をご確認ください。