冬のお悩み対策
- 光熱費編 -
11月を迎え、暗く寒い時間が長くなり、こたつや鍋などが恋しい季節となって参りました。寒いイギリスの冬には、「暖かいお部屋で快適に過ごしたい!」と誰もが思うことでしょう。しかし、近年の光熱費の高騰もあり、特に電気の使用量など気になる方も多いのではないでしょうか。光熱費を0にということは到底無理ですが、少しでも抑えられるよう工夫し、体調を整えながら、寒い冬を乗り越えましょう。
暖房とお湯は平均的な家庭の光熱費の半分以上を占めています。ここでは、低コスト及びコストのかからない簡単なアクションを紹介していきます。
家庭内でエネルギー使用量/光熱費を減らすための手段
・ボイラーの流量温度を下げる
コンビネーションボイラー(瞬間湯沸かし器)を使用している場合、'流量温度'(‘flow temperature’)のダイヤル/設定を60度に調整することでお湯を温める効率を向上させることができます。流量温度を下げることはサーモスタットを使用して温度を下げることとは異なり、家の温度には大きな影響を与えませんが、暖まるのに少し時間がかかるかもしれません。65歳以上の方、5歳未満の子供、既存の健康問題を抱えている方は、家がより速く温まるよう、流量温度を65度に設定することも考えるべきかもしれません。
→最大60ポンドの節約(年間)
・タンク内のお湯の温度を60℃に下げる
コンビネーションボイラーではなく、別のお湯タンクを持つ暖房システムの場合、タンク自体の温度を下げて無駄なお湯を加熱しないようにすることで光熱費を抑えることができます。しかし、60°C以下の温水にはレジオネラ菌が生存し、レジオネラ病の原因となる可能性がありますので、温度は60°C以下に下げないようにしましょう。
→最大20ポンドの節約(年間)
・使用していない部屋のラジエーターバルブを低い設定にする
ラジエーターを完全に切るのはエネルギー効率が低いため、ボイラーが部屋の温度を保つために過度な労力を必要とします。また、ラジエーターを切ることはカビや湿気の問題を引き起こす可能性もございます。65歳以上の方、5歳未満の子供、既存の健康問題を抱えている方は寒さに対して脆弱ですので、十分に温かい状態を保ち、室内の最低温度を18°Cに設定して健康で快適に過ごしましょう。
→最大50ポンドの節約(年間)
・エネルギー効率の高いシャワーヘッドを取り付け
エネルギー効率の高いシャワーヘッドは、水の流量を調整したり水に空気を含ませ、使用量を減らすことで水とエネルギーを節約します。これらはホームセンターで購入でき、独自に取り付けることができます。一部の水道会社はこれらを無料で提供していることもございます。※電気シャワーには適していません。
→最大40ポンドの節約(年間)
・低温での洗濯
現代の洗濯機は低温でも効果的に洗濯できます。40°Cから30°Cに変更することで、同じエネルギー量で、3回の洗濯サイクルができることがあります。
→最大20ポンドの節約(年間)
・タンブルドライヤーの使用頻度を抑える
タンブルドライヤーは家庭内で最もエネルギーを消費するデバイスの1つです。風通しの良い場所で洗濯物を干すなど、自然乾燥を増やし、タンブルドライヤーの使用頻度を減らしましょう。使用する際は、ドラムの半分程の量で使用し、過度に詰め込まないようにしましょう。過度に詰め込むと、乾燥時間が長く必要になり、エネルギーの使用が増えます。乾きやすい繊維のものは部屋干し、乾きにくい繊維はドライヤーを使用するのも良いでしょう。
→最大50ポンドの節約(年間)
・コンセントで電化製品の電源を切る
ほとんどの電化製品は、電源を切らない限り連続して電力を消費します。使用していないときはコンセントの電源スイッチを切るか、コンセントから電化製品を抜いてください。
→最大50ポンドの節約(年間)
・エネルギー効率の高い電球への切り替え
伝統的な白熱電球は非効率的です。LEDなどのエネルギー効率の高い電球に切り替えることで、光熱費を節約しながら部屋を十分に明るく照らすことができます。LED電球は伝統的な電球よりも長持ちし、メンテナンスコストも節約できます。光の量や光の色(白から黄色)は電球のエネルギー使用量とは関係ございませんので、低コストで同じ明るさを得ることができます。
→最大40ポンドの節約(年間)
・隙間風対策
隙間風対策は、冷たい風が入る道と熱の逃げ道を防ぎ、光熱費を減少させるために取ることができる最も安価かつ効果的な方法の1つです。窓、ドア、煙突、床の周りの隙間を塞ぎ、冷たい空気が入って暖かい空気が出ないようにします。また、窓フィルムを使用することで、ガラスを通して熱の逃げを防ぐこともできます。
→最大50ポンドの節約(年間)
防寒対策をしながら光熱費の削減を図ることは、環境保全にも繋がります。
ロンドンの寒い冬を健康で快適に、エコフレンドリーに乗り越えましょう。
参考:https://helpforhouseholds.campaign.gov.uk/energy-saving-advice/