不動産賃貸市場

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-2024-

2024年もいよいよ最終月となり、冷え込む日が続きますが季節ならではの楽しみを満喫している方も多いことでしょう。
今年は、不安定な経済状況が続く中で、物価の上昇や住宅費用の増加が多くの人々に影響を与えた一年でした。今回のニュースレターでは、2024年のロンドンを中心とした不動産市場の変化、そして来年に向けた見通しについてお伝えいたします。

 

長引く不動産市場の賃料上昇

大手不動産プラットフォームZooplaのレポートによると、英国の賃貸市場は過去3年間で大幅な賃料上昇を記録しており、特に低賃料エリアでの上昇率が高い傾向にあります。2024年10月時点で新規賃貸物件の平均賃料は月額1,270ポンドで、過去1年間の上昇率は3.9%と、この3年間で最も低い水準となりました。しかし、賃料上昇は依然として平均所得の増加を上回るペースで進んでおり、需要と供給のバランスが市場に影響を及ぼしています。新規賃貸物件の賃料は月額270ポンド(27%)増加し、年間では3,240ポンド上昇。(同期間の平均所得増加率は19%)

供給面では、不動産仲介業者が保有する賃貸物件数が前年に比べ12%増加したものの、パンデミック前の水準には達していません。一方で、賃貸需要は前年より29%減少しましたが、パンデミック前と比較すると依然として高い状態が続いています。この需給バランスの改善は賃料上昇率を抑える要因となっていますが、2025年に向けて供給不足の問題が完全に解消される見込みは立っておらず、賃料上昇の圧力が継続すると予想されます。

イギリス国内、地域ごとの動向を見ると、北アイルランドや北東部などの低賃料の地域での上昇率が高く、ロンドンの中央部などの高賃料エリアでは上昇率が鈍化しています。しかし、ロンドン全体の平均賃料は約2,200ポンド(2023年は約2,150ポンド)に達し、需要と供給の不均衡が続いている状況です。

2025年の不動産市場

2025年には新規賃貸物件の賃料がさらに4%上昇すると予測され、特に低賃料エリアでの上昇が中心となると見られています。また、税制変更や規制改革により、一部の大家が市場から撤退する可能性が大いにあり、これらが供給不足をさらに深刻化させるリスクがあります。借主や物件所有者にとっては、これらの市場動向を理解し、適切な対応を検討することが重要です。

 

ご質問などございましたら、Kens Estateまでお問い合わせください。

Enquiry Kens Estate: enquiries@kensestate.com

 

参考:

- https://www.zoopla.co.uk/discover/property-news/rental-market-report/

-https://fraserbond.com/blog/article/2024-london-rental-market-overview-prices-demand-and-future-outlook-b9440

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