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ロンドン賃貸の法人契約と個人契約、何が違うの? Corporate Let vs AST

英国・ロンドンの賃貸契約における法人契約(Corporate Let)と個人契約(AST)の違い、敷金保護、家賃前払い、Renters’ Rights Act 2025の影響を日本語で整理します。

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ロンドン賃貸の法人契約(Corporate Let)と個人契約(AST)、何が違うの?

ロンドンの賃貸契約、会社名義と個人名義の違いを整理する

春の異動シーズンに知っておきたい、賃貸契約の基礎知識

英国の賃貸契約は、日本とは仕組みが大きく異なります。なかでも法人契約と個人契約の違いは、駐在員の住まい手配を進める上で押さえておきたい基本のひとつです。今号では、その違いと英国賃貸特有の慣行を整理します。

2026年5月施行について
Renters’ Rights Act 2025の施行により、2026年5月1日以降に締結される新規の個人契約は、Assured Shorthold Tenancy(AST)からAssured Periodic Tenancy(APT)へと名称・制度が変更されます。本記事では従来の呼称(AST)で説明していますが、同日以降の新規契約はAPTとして適用されます。

契約書の署名と鍵

法人契約(Corporate Let)と個人契約(AST)の違い

法人契約とは、会社が賃貸契約の「テナント(借主)」となり、社員がその物件の占有者(licensee)として居住する形式です。一方、個人契約は駐在員本人が借主として契約するもので、英国ではAssured Shorthold Tenancy(AST)と呼ばれる標準的な賃貸形式が適用されます。

この2つは、適用される法律・借主保護の範囲・手続きなど、根本的に異なります。

比較項目 法人契約(Corporate Let) 個人契約(AST)
契約形式 Common Law Tenancy Assured Shorthold Tenancy(AST)
適用法律 コモンロー(Housing Act 1988の対象外) Housing Act 1988
契約名義 会社 駐在員個人
入居者の変更 可能(社員の入れ替えOK) 原則不可
敷金保護スキーム 対象外 政府承認スキームへの登録義務あり
消費者保護 適用されない 適用される
家賃増額への異議 法的に困難 一定の保護あり

※ 法人契約にはAssured Shorthold Tenancy(AST)は使用できません。Housing Act 1988は個人のみに適用されます(同法第1条)。


法人契約の特徴と注意点

メリット

デメリット・注意点


契約形式は、企業ごとに状況が異なります

赴任期間や社員の居住状況によって、法人契約・個人契約それぞれに合ったシーンがあります。どちらが自社に当てはまるか、また変更の余地があるかなど、お気軽にご相談ください。


日本との違い:駐在員が戸惑いやすいポイント

日本と英国では、賃貸に関わる慣行が大きく異なります。赴任前に知っておくと、現地での疑問や手続きがスムーズになります。

項目 日本の慣行 英国(ロンドン)の実態
保証人制度 連帯保証人(日本在住の個人)が一般的 UK在住者が原則。海外在住の保証人は不可なケースが多く、代わりに家賃前払いを求められることがある(※後述のRenters' Rights Act 2025参照)
敷金(デポジット) 礼金・敷金の慣行。金額・返還条件は物件による 年間賃料£50,000未満の場合、上限は5週間分の賃料。政府承認の保護スキームへの登録が義務(個人契約の場合)
仲介手数料(借主負担) 仲介手数料(賃料1ヶ月分等)が一般的 Tenant Fees Act 2019により借主からの仲介手数料は原則禁止。礼金に相当するものも存在しない
契約書の交渉 ひな形通りの署名が多く、交渉は稀 契約書の条件は交渉の対象。署名前に修正を依頼することが一般的
退去時の原状回復 借主負担の範囲が広い傾向(クリーニング費用等) 通常の使用による消耗(fair wear and tear)は借主負担にならない。それ以上の損傷のみ敷金から差し引かれる

※ 敷金保護スキームの義務はASTに基づく個人契約に適用されます。法人契約は対象外です(Housing Act 2004)。
※ 仲介手数料の禁止はTenant Fees Act 2019に基づきます(2019年6月1日施行)。
※ 保証人はUK在住者が原則です(Citizens Advice参照)。


Renters’ Rights Act 2025:家賃前払いルールの重要な変更

2026年5月1日施行(新規契約対象)

Renters’ Rights Act 2025は2025年10月27日に成立し、2026年5月1日より主要条項が施行されます。この法律により、これまで海外からの転勤者・留学生などに対して広く行われていた「数ヶ月分の家賃前払い」の慣行が、個人契約(AST)において大きく制限されます。

3段階で変わる家賃前払いのルール

段階 タイミング ルール
① 契約締結前 物件決定前・契約署名前 大家・エージェントによる家賃の請求・受領が一切禁止。テナント側から申し出ても受け取り不可。
② 契約締結後〜入居まで 契約署名後〜入居開始まで 大家が請求できる前払いは最大1ヶ月分まで。「3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月前払い必須」等の契約条項は無効。
③ 入居後 テナントによる自発的な前払い テナントが完全に自発的に申し出た場合のみ、1ヶ月超の前払いを大家が受け取ることは可能。ただし大家側から求めたり示唆することは禁止。

テナントへの影響

これまで、信用履歴のない海外転勤者や留学生に対し、大家が保証の代替として数ヶ月分の家賃前払いを求めることが広く行われてきました。2026年5月1日以降の新規個人契約(AST)では、大家側からこの慣行を求めることは法律違反となります。

ただし、入居後にテナント自身が完全な自発的意思で前払いを申し出た場合は、大家がそれを受け取ることは可能です。重要なのは、大家・エージェントが「前払いを示唆・奨励・要求」することが一切禁止される点です。

適用範囲と例外

違反した場合、Trading Standardsにより最大£5,000の罰金が科される可能性があります(Tenant Fees Act 2019に基づく)。


Kens Estateの法人対応サービス

Kens Estateでは、在英日系企業のお客様に向けた法人契約のサポートを日本語で行っています。

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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。契約内容や適用条件は物件・契約形態・時期によって異なる場合があります。実際の契約前には、契約書の内容を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。


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