イギリスの住宅タイプ

戸建て・テラスハウス・フラットの違い

イギリスには、戸建て住宅、隣家と壁を共有する住宅、集合住宅など、 さまざまなタイプの住まいがあります。物件情報では、 Detached House(デタッチドハウス)Terraced House(テラスドハウス)Purpose-Built Flat(パーパスビルトフラット)など、 日本ではあまり使われない名称も多く見られます。

住宅タイプを理解しておくと、建物の独立性、隣家との位置関係、 共用部分の有無、庭や駐車スペース、管理方法などを比較しやすくなります。

このページでは、ロンドンをはじめとするイギリスでよく見られる 代表的な住宅タイプと、それぞれの特徴をご紹介します。

ハウス(一戸建て・連続住宅)

デタッチドハウス Detached House

デタッチドハウスは、隣接する住宅と壁を共有しない独立した一戸建て住宅です。 四方に空間があるため、プライバシーを確保しやすく、 庭や駐車スペースを備えている物件も多く見られます。

デタッチドハウスの外観

セミデタッチドハウス Semi-Detached House

セミデタッチドハウスは、2戸の住宅が中央の壁を共有して建つ住宅タイプです。 それぞれに独立した玄関があり、専用の前庭や裏庭、 駐車スペースを備える物件もあります。

デタッチドハウスよりも購入・賃借しやすい価格帯の物件が多く、 ロンドン郊外やイギリス各地の住宅街で一般的に見られます。

セミデタッチドハウスの外観

テラスドハウス Terraced House

テラスドハウスは、複数の住宅が横一列に並び、 両隣または片側の住宅と壁を共有する住宅タイプです。 各戸に独立した玄関があり、裏庭を備える物件も多くあります。

19世紀以降に都市部で数多く建てられ、 現在もロンドンをはじめとするイギリス各地で広く見られます。 建築年代によって、外観、間取り、天井の高さ、室内の広さは異なります。

列の中央に位置する住宅はMid-Terrace、 端に位置する住宅はEnd-of-Terraceと 表記されることがあります。

テラスドハウスの外観

タウンハウス Townhouse

タウンハウスは、都市部の限られた敷地を効率的に利用するため、 複数階で構成された縦長の住宅です。 隣家と壁を共有するテラス形式が多く、 比較的新しい住宅開発でもよく見られます。

1階に玄関、ガレージ、書斎または寝室を設け、 上階にリビングや寝室を配置するなど、 階ごとに用途を分けた間取りが一般的です。

タウンハウスの外観

ミューズハウス Mews House

ミューズハウスは、かつて馬車置き場や馬小屋、 使用人用の住居として使われていた建物を、住宅へ改装したものです。 住宅街の裏手にある石畳の小道や、 小規模な中庭沿いに並んでいることがあります。

現在では、ロンドン中心部の落ち着いた住環境と 個性的な外観を持つ住宅として人気があります。 建物によっては、ガレージやコンパクトな間取りを備えています。

ミューズハウスの外観

フラット(マンション・集合住宅)

パーパスビルトフラット Purpose-Built Flat

パーパスビルトフラットは、建設当初から複数世帯が暮らす 集合住宅として設計された建物内の住戸です。 日本のマンションに近い住宅タイプですが、 建物の規模や設備はさまざまです。

比較的新しい建物では、リフト、コンシェルジュ、 共用庭園、ジム、駐車場などを備えている場合があります。 共用設備が充実している物件では、 サービスチャージや管理条件も確認することが大切です。

パーパスビルトフラットの外観

コンバージョンフラット Conversion Flat

コンバージョンフラットは、もともと一戸の住宅として建てられた建物を、 複数の住戸に分割・改装した住宅です。 ヴィクトリアン住宅やエドワーディアン住宅を改装した物件が、 ロンドンで多く見られます。

高い天井、大きな窓、暖炉、装飾的なモールディングなど、 建物本来の特徴が残されていることがあります。 一方で、玄関、階段、庭などを他の住戸と共有する場合があるため、 内見時には共用部分や防音性も確認するとよいでしょう。

コンバージョンフラットの外観

スタジオフラット Studio Flat

スタジオフラットは、リビングと寝室が一つの空間にまとめられた住戸です。 日本のワンルームに近い住宅タイプで、 単身者向けの物件として多く見られます。

キッチンが居室内に設けられている物件と、 独立している物件があります。 通常、バスルームは住戸内に専用で設けられています。

スタジオフラットの室内

ベッドシット Bedsit

ベッドシットは、寝室兼リビングとして使用する一室を 専用で借りる住宅形態です。 簡易的なキッチンや調理設備が室内に設けられていることがありますが、 バスルームやトイレを他の居住者と共有する場合があります。

設備や契約条件は物件によって大きく異なります。 スタジオフラットとは異なり、 すべての設備が住戸内に専用で備わっているとは限らない点に注意が必要です。

ベッドシットの室内

住宅タイプを比較するときのポイント

同じ住宅タイプでも、建築年代、改装状況、立地、 建物の管理状態によって、住み心地は大きく異なります。 物件を比較するときは、名称だけで判断せず、 次の点も確認することが大切です。

  • 隣接する住宅と共有する壁の位置
  • 専用玄関、庭、駐車スペースの有無
  • 廊下、階段、庭などの共用部分
  • リフトやコンシェルジュなどの共用設備
  • 防音性、採光、収納、間取り
  • 建物の管理状態と修繕履歴
  • 賃貸の場合は契約条件、購入の場合は所有形態と管理費

物件情報で使われる名称について

不動産広告で使われる住宅タイプの名称には、 厳密に統一された定義がない場合があります。 たとえば、同じ建物でも広告によって 「Townhouse」「Terraced House」など、 異なる表記が使われることがあります。

気になる物件がある場合は、間取り図や写真だけでなく、 専用部分と共用部分、庭や駐車場の利用条件、 建物の管理方法なども確認してください。