物価と不動産市場

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- 2023 -

今年も最終月に入り、ロンドンの街は美しくライトアップされ、クリスマスを感じる季節となりました。昨今、益々寒さが厳しくなって参りましたが、クリスマスや年末年始を楽しみにしている方も多いことでしょう。

物価の高騰が続き、家計への負担も増えた2023年でしたが、皆様はどのような2023年を過ごされたでしょうか?

今年最後のニュースレターでは、イギリスにおいての2023年の物価と不動産市場の状況をご報告いたします。

 

物価とインフレ

2021年からの物価上昇により、家計の支出が過去2年間で急速に上昇しました。現在、物価の上昇率は以前と比べて緩んでおり、バターなど一部の商品は数か月前よりも価格は下がっておりますが、砂糖など他の多くの商品はまだ価格の高騰が続いています。

これまで上昇し続けていたインフレ率も、少しづつ減少傾向(小売物価指数: 2023年1月13.4%、4月11.4%、7月9%、10月6.1%)にあり、今後引き続き減少すると見込まれておりますが、インフレ率が正常な水準に戻るのは2025年末と予想されています。

※正常な水準とは、平均して年間約2%程度(政府が設定した目標)の物価上昇を意味します。

インフレを抑制するため、英国中央銀行は2021年12月から2023年8月までに金利を大幅に引き上げ、インフレを抑制する助けとなりましたが、完全な効果を発揮するには時を要します。金利の変更がインフレに最大の影響を与えるのは、通常約2年後とされていることから、2025年までは厳しい期間が続くことが予想されています。

 

2023年の不動産市場

大手不動産広告会社のRightmoveによると、ロンドンを除く地域の賃料は再び過去最高額に達し、広告掲載賃料は15四半期連続で過去最高を更新しました。賃料は約10%上昇し、ロンドンの平均賃料も1年前から約12%上昇しています。この数値は物価の上昇率を大きく上回っていることがわかります。

Rightmoveの賃貸トレンドトラッカーによると、各広告掲載物件は平均25件の問い合わせを受けており、パンデミック前の2019年と比較すると、当時各広告掲載物件が受けていた平均8件の問い合わせの3倍以上、2019年の同じ期間と比べて173%の増加を意味します。需要が増えているにも関わらず、市場に出回っている賃貸物件の数は2019年の水準から46%も減少していることが、需要と供給の不均衡を加速させ、賃料の高騰の大きな原因となっています。

現在の状況は今後暫く続くと予想され、不動産の賃貸価格は上がり続けると予想されています。

 

今後も借り手にとっては非常に厳しい状況が続くため、良い物件を見つけたらお早目に行動することをお勧めいたします。

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